ハートフルで元気をもらえる「マイ・インターン」

プラダを着た悪魔」で一躍人気を博したアン・ハサウェイと、「ゴッドファーザー」等どんな役でも変幻自在の名優ロバート・デ・ニーロが、若き女社長とその部下を演じる映画「マイ・インターン」。あらすじは、定年を迎え、ニューヨークで時間とお金をもてあました日々を過ごす、妻に先立たれたベン(ロバート・デ・ニーロ)が、ある日シニアインターンの求人チラシを見つけ、慣れないパソコンを孫に教えてもらいながら応募し無事就職します。その会社は、新進気鋭のネットファッションサイトで、社長はまだ30代の若く美しいジュールズ(アン・ハサウェイ)。社会貢献の一環として募集したシニアインターンのうち、ベンがジュールズのもとで働くことに。若い会社を切り盛りし、家庭と仕事に追われるジュールズは、最初はベンの存在を煙たく感じます。しかし、周りに気遣いし積極的に仕事に取り組むベンの存在は、会社全体で受け入れられ、その的確なアドバイスや気配りにいつしかジュールズも心からの信頼を寄せるようになります。第一線で働く女性の仕事や家庭の悩みに、経験豊かで親身なアドバイスをするベン。彼女の選択とは?前向きな気持ちにしてくれるハートフルコメディです。

この作品の脚本監督はあのナンシー・マイヤースです。マイヤースといえば「恋愛適齢期」「ホリデイ」「恋するベーカリー」など、女性の感性で、働く女性や年齢を重ねた女性の等身大の心の動きを繊細に、ロマンチックに、コミカルに描くことで定評のある監督です。彼女の映画で描かれる世界は、ファッションだけでなくインテリアに至るまでセンスが光っています。「マイ・インターン」でも、その感性と世界観は健在です。まず、デニーロ演じるベンの住宅、クローゼットの見事なこと。小気味のいいほど非現実的ですが、ベンの服装の清潔感とセンスは、初老の男性に対する女性の願いが実現したかのようです。ジュールズと母親のぎくしゃくした関係性も見事に現実的です。細部に渡ってクスリと笑えるコミカルな要素を満載にしながら、女性の社会進出に伴う戸惑いや悩みを、シリアスになりすぎず的確に表現しています。それが可能になったのは、名優R・デニーロのおかげでしょう。若き日の尖ったデニーロとはうって変わって、ほのぼの系のベンを見事に演じ切っています。

そしてもう一つの注目ポイントは、アン・ハサウェイのファッションです。今回、衣装を担当したのが「Sex & the City2」や「お買い物中毒な私」でその実力を発揮してきたジャクリーン・デメリオです。今回のジュールズの衣装について、監督のマイヤースの希望はタイムレスなものだったそうですが、ファッションサイトの社長という役柄的に、上手に流行を取り入れたものになっています。もちろん、着こなすアン・ハサウェイの魅力あってこそですが、さりげない小物遣いや、定番の服装に少しトレンドを取り入れるやり方は、働く女性なら誰もが真似したくなるスタイルばかり。ファッションのお手本としても秀逸な映画となっています。

観終わったら、明日からまた頑張ろうと思える心温まる良質な映画です。